【図解付き】アービトラージとは?FX用語を初心者向けに解説

わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語

アービトラージ

価格差を利用して利益を得る取引手法。裁定取引とも呼ばれる。

アービトラージ - パンダ
STEP 01

なんとなく理解しよう

5歳でもわかる超かんたん解説

アービトラージっていうのは、同じものの値段の違いを見つけて利益を得る方法なんだよ。

想像してみて。A店でポケモンカードが100円、B店で同じカードが110円で売ってたら、A店で買ってB店に持っていけば10円儲かるよね?これがアービトラージの基本的な考え方なの。

FXでも、違うFX会社や違う時間で同じ通貨の値段が少し違うことがあるんだ。その差を見つけて、安いところで買って高いところで売ることで利益を得るんだよ。例えば、A社でドル円が100.00円、B社で100.05円なら、その0.05円の差が狙い目になるんだね。

でも実際は、とても素早く行動しないといけないし、コンピューターを使う人も多いから、簡単じゃないんだ。それに、価格差もあっという間になくなっちゃうことが多いんだよ。だから、プロのトレーダーや機関投資家が得意な手法なんだ。

つまりアービトラージは、値段の差を使って稼ぐ賢い方法だよ

アービトラージは同じものの値段の違いを見つけて利益を得る方法なんだ。

学校の購買部でジュースが100円、近くのコンビニで120円だったら、購買部で買ってコンビニの前で売れば儲かるよね。FXでも同じように、違うFX会社や違う時間での値段の差を使うんだ。でも、みんなが狙ってるからすぐに差がなくなっちゃうし、高速取引システムを使わないと間に合わないんだよ。

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STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう

もっと詳しい本格解説

アービトラージ(裁定取引)とは、同一または類似の金融商品の価格差を利用して、リスクを抑えながら利益を得る取引手法です。理論的にはリスクフリーの利益を得られるため、多くのトレーダーや機関投資家が注目しています。金融庁も市場の公正性を保つためアービトラージ取引を監視しています。

FXでは主に業者間アービトラージ、通貨ペア間アービトラージ、時間差アービトラージなどがあるんです。例えば、A社でUSD/JPYが100.00、B社で100.05の場合、A社で買いB社で売ることで0.05円の利益を得られます。また、三角アービトラージでは、EUR/USD、USD/JPY、EUR/JPYの価格の歪みを利用します。具体的には、3つの通貨ペアを順番に取引することで、理論値とのズレから利益を狙うんですね。

業者間アービトラージの仕組み A社 USD/JPY 100.00円 買い注文 低い価格 B社 USD/JPY 100.05円 売り注文 高い価格 利益: 0.05円 手数料やスプレッドを考慮する必要があります

業者間で価格差が生じた瞬間を狙い、同時に売買を行います。この差額が利益になりますが、スプレッドスリッページを考慮すると実際の利益は小さくなります。

しかし、現実には高速な執行環境と大きな資金が必要で、個人投資家には難しい面があります。価格差は瞬時に解消されることが多く、スリッページや約定拒否のリスクもあるんです。また、多くの業者は規約でアービトラージを禁止しており、口座凍結のリスクも存在します。それに、取引手数料スリッページを考えると、実際の利益は理論値よりずっと小さくなることが多いんですよ。

三角アービトラージの仕組み EUR/USD 1.1000 USD/JPY 100.00 EUR/JPY 110.05 1.EUR to USD 2.USD to JPY 3.JPY to EUR 理論値: 110.00 / 実際: 110.05 差額0.05円が利益機会

3つの通貨ペアを順番に取引することで、理論値とのズレから利益を狙います。EUR/USD × USD/JPY の理論値とEUR/JPYの実際の価格に差があれば、その差が利益になります。

それでも、アービトラージは市場の効率性を高める重要な役割を果たしているんです。価格差を解消することで適正価格の形成に貢献し、流動性も向上させます。日本銀行の調査でも、アービトラージ取引が市場の効率性向上に寄与していることが示されています。ただし、過度な高頻度取引は市場の変動を増幅させる可能性もあり、規制の議論も行われているんですよ。

価格差解消のプロセス 0秒 0.5秒 1秒 100.00 100.03 A社買い圧力 100.05 100.03 B社売り圧力 0.05円 差なし アービトラージ取引により価格差が急速に解消

アービトラージャーが安い方で買い、高い方で売ることで、価格差は瞬時に解消されます。この過程が市場の効率性を高め、適正価格の形成に貢献しています。

関連用語をチェック

裁定取引 アービトラージの日本語表記。価格差を利用した取引手法。
価格の歪み 本来同じであるべき価格に差が生じること。アービトラージの源泉。
リスクフリー 理論上リスクなく利益を得られること。現実には完全ではない。
ヘッジファンド アービトラージを主要戦略の一つとする機関投資家。
業者間取引 異なるFX業者間の価格差を利用する手法。
三角アービトラージ 3つの通貨ペアの価格関係の歪みを利用する手法。
高頻度取引(HFT) コンピューターで高速にアービトラージを行う手法。
市場の効率性 アービトラージにより価格差が解消され効率的になること。
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STEP 03

アービトラージに関するQ&A

よくある質問と回答

理論上は簡単そうに見えますが、実際は非常に難しいです。価格差は瞬時に解消され、高速な取引システムと大きな資金が必要です。また、手数料スプレッドを考慮すると利益が出ないことも多く、プロ向けの手法と言えます。個人投資家には現実的ではありません。
価格差は市場の一時的な非効率性により生じます。各業者の流動性プロバイダーが異なること、情報伝達の時間差、取引量の偏りなどが原因です。また、技術的な遅延や、地理的な要因も影響します。ただし、これらの差は通常すぐに解消されます。
アービトラージ自体は違法ではありませんが、多くのFX業者は利用規約で禁止しています。これは、業者にとって不利益となる可能性があるためです。違反すると口座凍結や利益没収のリスクがあります。取引前に必ず規約を確認することが重要です。
FXでは業者間アービトラージ、レイテンシーアービトラージ、三角アービトラージが主流です。他にも、スワップアービトラージ(金利差を利用)、統計的アービトラージ(過去の相関関係を利用)などがあります。それぞれ必要な技術や資金が異なります。
技術的には可能ですが、成功は極めて困難です。機関投資家は高速通信回線、専用サーバー、自動売買システムを使用しており、個人では太刀打ちできません。また、必要資金も数百万円以上と大きく、リスクも高いため、一般的な投資手法をお勧めします。
正確な統計はありませんが、個人投資家の成功率は極めて低いとされています。価格差の発見から執行までミリ秒単位の勝負となり、人間の反応速度では間に合いません。また、手数料やスリッページで利益が消えることも多く、継続的な利益は困難です。
アービトラージは市場の効率性を高める重要な役割を果たしています。価格差を解消することで、適正価格の形成に貢献し、流動性も向上させます。一方で、過度な高頻度取引は市場の変動を増幅させる可能性もあり、規制の議論もあります。
プログラミング能力、金融工学の知識、高速な判断力が必要です。また、複数市場の価格を同時監視し、瞬時に計算・執行する能力も求められます。リスク管理能力も重要で、一つのミスで大きな損失につながる可能性があるため、慎重な資金管理も欠かせません。

さらに学ぶ

アービトラージについて理解が深まったら、次のステップへ進みましょう。

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